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プリティ中野の一問入魂

元大学受験ラジオ講座講師プリティ中野が医学部・難関大受験生に贈るエール

吉田つねひこの医気軒昂~みんなで考えよう!高額療養費制度70歳以上医療費負担増について


高額療養費制度70歳以上医療費の負担増へ
~2017年8月から高額療養費制度の改正~

内閣府のデータでは、
2016年度の社会保障給付費は予算ベースで118.3兆円(対GDP比22.8%)となっており、
年金が56.7兆円(47.9%)《対GDP比10.9%》、
医療が37.9兆円(32.0%)《対GDP比7.3%》、
福祉その他が23.7兆円(20.0%)《対GDP比4.6%》であり、
福祉その他の中で介護は10.0兆円(8.5%)《対GDP比1.9%》
そして子ども・子育ては5.7兆円(4.9%)《対GDP比1.1%》となっています。

これに対して負担は、
保険料が66.3兆円で59.4%を占めており、
その内訳は被保険者拠出35.6兆円(31.9%)、
事業主拠出30.7兆円(27.5%)となっています。

また負担における税金の割合は45.4兆円と40.6%を占めています。
うち国税32.2兆円(28.9%)、地方税13.1兆円(11.7%)となっています。

社会保障給付費は第2次ベビーブームの1975年ごろはやっと10兆円を超えたぐらいでしたが、
2000円には80兆円弱、
政権交代した2009年には100兆円を超えます。

その変遷をよく見てみると1960年は0.7兆円で1970年は3.5兆円となっており、
1975年ごろから社会保障給付費は急速に増え始めます。

この中で、我々医療人が担当する医療の伸び率が最大であるのも特徴的です。

以前も述べましたが、
医療費が増加する原因は

①人口の増加
②人口の高齢化
③医学、医療の進歩、新技術の導入
④疾病構造の変化、対象の変化


そしてわが国特有の医療費増加要因として

①病床数が多い、在院日数が長い
②薬剤価格が高い、薬剤使用量が多い
③医療材料価格が高い
④検査が多い
⑤受診回数が多い
 等があります。

この中でも医療の進歩はまさに日進月歩であり、
それは病に苦しむ患者や医療人に夢と希望を与えます。

しかしながら例えばオプジーボ(一般名:ニボルマブ)=免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-1抗体)は
2014年に切除不能な悪性黒色腫に対し、
そして2015年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに保険適応となり、
更に2017年4月には頭頚部がんにも適応となりました。

これは患者や医療の発展にとっても大いなる福音ですが、
緊急薬価改定で2017年2月1日に100㎎一瓶75万から32.5万へ値下げされる前には
一人の患者さんの治療に年間最大3000万かかっていました。
この様な状況では、がんも滅ぶが国も滅ぶ???という指摘もあるのもまた事実です。

この様な時代背景の中、
高額療養費制度が変更になり、
2017年8月から「70歳以上」の自己負担額の上限に関する規定が変わります。

具体的には、ある程度以上の年収がある場合、69歳以下と同じ自己負担額へ引き上げられます。

変更は2017年8月、2018年8月と2段階で行なわれるので、
2018年8月からが本格的な変更で2017年8月からは移行期間となっています。

順に変化を追ってみたいと思います。

2017年7月診療分までの現行制度において70歳以上の規定については、2つ特徴があります。

①外来については、入院よりも自己負担額が少なくなっている
②「現役並み」の収入があっても、69歳以下よりも自己負担額が少ない

図1
図1 <出典:厚生労働省>



2017年8月から2018年7月までの1年間の移行期間の診療分については、簡単に述べれば

①「現役並み」の外来上限額が「44,400円」から「57,600円」に上がる
②「一般」の負担額が、外来が「12,000円」から「14,000円」に、入院が「44,400円」から「57,600円」に上がる

図2
図2 <出典:厚生労働省>



移行期間が終わる2018年8月分からは、更に大きく引き上げられます。

①「現役並み」については、外来だけの上限額がなくなる
②「現役並み」については、年収による区別が69歳以下と同様になり、上限額も69歳以下と同じになる
③「一般」の外来について、上限額が「14,000円」から「18,000円」に上がる

図3
図3<出典:厚生労働省>

これはかなりドラスティックな改正(国民にとっては改悪)であり、
明確に今後さらに高額となると予想される
新規に開発される治療法を選択する患者の負担増が主たる目的となっていると考えて良いでしょう。


今まさに政府は超高齢社会でその必要性が増加すると考えられている急性期医療を、
高額であるという理由で縮小し、
7対1及び10対1の病床を適正化という名で縮減していこうと考えており、
また医療介護一括法の介護部分の中身を見ると、
例えば要支援1~2の人向けの訪問介護と通所介護が、市町村事業に移管され、
2015年4月以降に新たに特養に入居する人は原則として要介護3以上に制限されています。

この国の社会保障はどこを向いて漂流していくのでしょうか?

皆様と共に考えて参りたいと思います。


元衆議院議員 医師 吉田統彦拝



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プリティ中野




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吉田統彦(つねひこ)先生プロフィール

東海高校を経て名古屋大学医学部、同大学院卒業。
米国ジョンズ・ホプキンス大学ウィルマー・アイ・インスティテュートにて勤務。
眼科医。医学博士。愛知医科大学医学部客員教授。
昭和大学医学部客員教授。名古屋大学医学部非常勤講師。
愛知学院大学歯学部眼科学教授。名古屋医療センター非常勤医師。
元衆議院議員。次回衆院選愛知第1区立候補予定者

  1. 2017/08/07(月) 00:00:01|
  2. 吉田つねひこ先生
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名古屋千種駅前の医学部&名門難関大専門塾セント・メプレス学長。元大学受験ラジオ講座講師。

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