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プリティ中野の一問入魂

元大学受験ラジオ講座講師プリティ中野が医学部・難関大受験生に贈るエール

医学部受験生に贈る。吉田統彦先生の医気軒昂19


『吉田つねひこの医気軒昂~医学部を志す若者へ』

Medical Tourism(メディカルツーリズム)を考える
:その5 インドのMedical Tourism<丙>


ニューデリーのアポロ病院の正式名称は“インドラプラスタ・アポロ・ホスピタル”で、
1996年開設とアポロ病院グループの中では比較的新しく業歴20年弱と短いにもかかわらず、
現在ではインドで最高峰の先進医療を提供し得る、
またインドのMedical Tourismを語る上でも代表的な病院とされています。

ニューデリー駅から地下鉄を利用し約30分の距離にあるJasola Apollo駅から徒歩5分に位置し、
敷地面積は東京ドームの約1.5個分に相当するニューデリー最大の病院です。

インドラプラスタ・アポロ・ホスピタルは医師数約300名、
病床数850床(現在増床中)を誇る急性期の総合病院で、
特に心臓血管外科、腫瘍外科、脳神経外科、整形外科、移植外科等の
外科分野で優秀な成績を誇ります。

国内外に向けた悪性腫瘍や循環器疾患に特化した人間ドック部門も拡充しており、
2010年の医業収入は約90億円、純利益約9億円となっています。

例えば循環器疾患に特化したアドバンスド・ハートチェックの場合は
朝食のサービスまで付いて14000ルピー、日本円で約26000円(1ルピー=約1.85円 2015年10月現在)。
この他、日本の人間ドックにあたる一般のメディカルチェックは
日本円で約6000~8000円前後から受診できるようです。

前稿で述べた様にその成り立ちからもアポロ病院グループは心臓血管外科手術で有名で、
グループ全体で1983年の設立以降約55000症例、
特に直近の5年間で約19000症例の心臓外科手術を施行し、
その成功率は99.6%であったと公表しており、その成功率も優秀ですが、
心臓移植等の症例で他国ではドナーが現れるまで長い待機時間を要する様な症例でも
比較的早期に手術を受けられる可能性もあり、これらは国際的に高い評価を受けております。

実際の受診の際の様子はまず乗用車でインドラプラスタ・アポロ・ホスピタルの敷地内に入る際には、
超一流ホテルや大使館のような厳重なセキュリティーチェックがあり、
入口のゲートは男女別で、病院内は各方面に大きく番号が掲げられており、
識字率8割といわれる国民への配慮とともに、
病院の外壁や院内ロビーの壁には、
健康全般の心構えとか禁煙、減塩、運動、食事の重要性についての具体的な啓発を含む
無数の健康に関する標語がみられ、
予防医療や平素からの健康管理の重要性が示されています。

と同時にこれは同院の内分泌科医長のS.K.ワングヌー医師が
「若者の肥満はまるで流行病のようだ」と述べた様に、
インドの多くの中産階級の家庭で生活様式が変わり、
十代の若者にも肥満が生じている状況の深刻さも示しています。

インドラプラスタ・アポロ・ホスピタルのロビーには、
受付や会計、院内薬局の窓口だけではなく、
コーヒーショップや食堂、複数の売店があり、
多くの患者やその家族、見舞客等の来訪者で盛況となっております。
インド国内の他の一般的な総合病院と比して、
圧倒的に医療機器だけでなくインフラ等の設備面や衛生面が充実しており、
中産階級以上の患者が多くなっています。

今回のテーマでありますMedical Tourismへの対応という点では、
病院内の特定のエリアに外国人専用ラウンジであるプラチラウンジという特別の待合室が複数設けられてあり、
豪華なソファーでゆっくりと寛げるになっています。

ここでは、様々な国からの患者に対応出来るように通訳スタッフも用意されており、
日本語にも対応可能です。

しかしながら後述するタイのバンコク病院や
バムルンラード病院等の古くからMedical Tourismに対応している病院と比較すると、
言語面の対応やサービスという点では、若干劣るという指摘もあります。

日本の病院とは異なり、診療科別の受付はなく、
数人の総合医がアメリカの病院のように各々個室のオフィスを構えていて、
そこで一次診察を行ない、症状に応じた専門医に紹介するシステムとなっています。

一日平均来院患者数は約2000人、うち外国からの患者は100人強で、
タイやシンガポール、マレーシア等の東南アジアでJCIを取得したMedical Tourism対応病院は
Medical Tourismや国内の超富裕層向けの病院というイメージが強いのですが、
アポロ病院グループはあくまで自国インド国民の為の高度先進医療提供に主眼を置いていることも強調しています。

後述するように我が国の医療費はインドの約3~5倍ほど高く、
そもそもMedical Tourismにおける価格面での国際競争力は乏しいのですが、
Medical Tourism推進に当って、
自国民とのバランスを考慮すべき点は重要な課題であるのは間違いありません。

次稿ではまさにそういった問題に直面しているタイのMedical Tourismに関して考察して参ります。

元衆議院議員 医師 吉田統彦拝

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吉田先生近影 2015年10月5日



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プリティ中野の書評 山本兼一著『信長死すべし』

山本兼一は僕の同志社文学研究会時代の仲間である。
今年の2月13日、僕の誕生日に彼は肺がんで他界した。
最後の原稿を中央公論の編集者に送稿した5時間半後に息を引き取ったのだった。
彼は骨太の歴史小説をいくつも遺していった。
まだ生き残っている僕は彼の作品を語り続けたい。
セント・メプレス発足時に推薦文を書いてくれた恩義に応えるためにも。


歴史上の事実を透視して

隠れているその真実を虚構の中に抉り出すという

歴史文学の生命線が骨太に貫かれている力作である。

本能寺の変の要因には諸説あるが、光秀が信長を討ったという事実は動かない。

ならば光秀の心の天秤を主君弑逆に傾けさせたベクトルが

単一であれ、複数ベクトルの合力であれ

普遍の人間性をキャンバスにしつつ山本の雄渾の筆致で本能寺が描かれれば、

読者は自ずと、光秀は言うに及ばず、信長や帝

さらには近衛前久を始めとする公卿と交感するのである。

時間と空間を超越する地下茎で繋がれた端末が個々の人間とするなら

マザーコンピュータが奈辺にあるのか。

その所在を垣間見せる力量こそが作家の力量であり

その意味で山本兼一は最もマザーコンピュータに肉薄した端末なのであろう。

― 光秀の魂は、そのまま深い闇の奈落に落ちていった。

最終章『無明』のエンディングである。

無明のカオスの中で人間は蠢き

その蠢きの一つひとつを糸として

壮大な人間の歴史が紡がれていく。

事件から430年が経過した今

山本兼一が創出する本能寺の変と交感し

描かれる無明の中に自分自身の座標を求めることができるなら

歴史小説読者として、至福の悦びとなるだろう。

その悦びを共有する一人として

まだ手にしておられない全ての方に本作を薦めるものである。


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山本兼一からいただいた推薦文

中野俊一氏は、わたしの同志社大学時代の先輩である。
わたしと中野氏は大学の文学研究会に所属していた。
わたしが二年になったとき中野氏は、その会の会長になった。
文学研究会は、学術団体でありながら、無頼を気取る輩が多かった。
そんななかにあって、中野氏はめずらしく情熱と責任感にあふれた人材であった。
だからこそ、自尊心の高い会員たちから請われて会長に就任したのである。
そんな中野氏がこのたび新しく塾を開くという。
その名はセント・メプレス。
中野氏が開く塾ならば、さぞや熱気にあふれ、
塾生は激しく切磋琢磨されることであろう。そう信じてやまない。

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在りし日の山本兼一



あなたが生まれたとき、周りの人は笑って、あなたは泣いていたでしょう。

だからあなたが死ぬときは、あなたが笑って、周りの人が泣くような人生をおくりなさい。

                               ~アメリカ・インディアンの言葉



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未来の医師養成講座
愛知医科大学理事長三宅養三先生からご推薦をいただきました。


講師:吉田統彦(つねひこ)先生




東海高校を経て名古屋大学医学部、同大学院卒業。
米国ジョンズ・ホプキンス大学ウィルマー・アイ・インスティテュートにて勤務。
眼科医。医学博士。愛知医科大学医学部客員教授。昭和大学医学部客員教授。
名古屋大学医学部非常勤講師。名古屋医療センター非常勤医師。前衆議院議員。

講義内容/日米の医療の比較を通じて、現代日本の医療問題を、毎回テーマを変えながら鋭くえぐりだし、医師をめざす受験生の使命感を、インテリジェントにそしてパッショネートに鼓舞します。このコースはまた医学部入試の面接試験での発言能力や小論文の背景知識を涵養することにも力を注ぎます。

2015年全9回コース
(4月~12月につき毎月1回/すべて月曜日20:30~21:50)

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  2. メディカルツーリズム
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吉田統彦先生の医気軒昂18

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吉田統彦先生の『未来の医師養成講座』授業風景


『吉田つねひこの医気軒昂~医学部を志す若者へ』
Medical Tourism(メディカルツーリズム)を考える

:その4 インドのMedical Tourism<乙>

アポロ病院は、
1983年にインド人医師のプラタプ・レディ博士(Dr Prathap C Reddy、1957年生まれ)が
チェンナイ市に創設したインド初の民間総合病院です。

1991年の経済自由化政策導入を踏まえた1990年代の新リベラル体制の下で、
ヘルスケアセクターの民営化が急展開し、
大都市圏を中心に民間のコーポレート病院チェーンが急増しつつありますが、
アポロ病院グループの持株会社は、
1979年に創設されたApollo Hospitals Enterprise Limited(AHEL)で、
インドのヘルスケア会社として初めてボンベイ証券取引所に上場し、
インド初のコーポレート病院として、アポロ病院グループは毎年1~2病院を新設し、
2011年現在では53病院、100クリニック、病床総数8,500床、専門医4,000名を擁する
アジア最大規模の株式会社形態の病院グループに成長しました。

私が以前勤務していたJohns Hopkins大学の国際提携部門である
Johns Hopkins Internationalと共同研究の契約も結んでおり、
病院チェーン網はインド国内の主要都市はもとより、
バングラディッシュのダッカやモーリシャスにも展開しています。
ニューデリーのアポロ病院がJCIから、
外国患者受入れに当っての国際基準適格認定を取得したインドの第一号病院となり、
2011年現在ではアポロ病院グループの6病院が認定病院となっています。
前述のようにアポロ病院グループに属する一部の病院の株式は公開されて、
高収益企業として高く評価されています。
グループの外国人入院患者は年間約1万人。
外来患者数は年間約10万人で毎年10%増加していると言われています。
渡航元は多岐に渡り、
米国、欧州(英国、オーストリア、ベルギー、デンマーク、スウェーデン、ポーランド)、
湾岸諸国、ナイジェリア、ザンビア、ケニア、タンザニア、アフガニスタン、モルジブ、
パキスタン、バングラディシュ、ネパール、ブータンからの受診が多くなっています。

レディ博士がアポロ病院を創設したきっかけは、
当時のインドの医療水準では心臓移植はできず、
当時公立病院に勤務していたレディ博士は
担当患者に心臓移植を受けさせるために米国へ送り出しましたが、
手術前に死亡してしまったことです。
そこで、インドでも心臓移植を含めた高度な臓器移植を手掛けられるような
高度先進医療を担う病院を自らの手で創り上げたいと決心して創設したのが、
レディ博士によるアポロ病院設立の動機でした。

それから28年を経て、インドは心臓移植患者を米国へ送り出す国ではなく、
逆に米国から患者を受け入れる国に、
まさに180度大きく転換したのには隔世の感があります。

創設以降アポロ病院グループの中核であり続けるアポロ病院チェンナイは
インド政府から“Center of Excellence”賞を受賞し、
Week誌による過去3度にわたりインド最優秀民間病院として
ランキングされている60以上の部局から成るスーパースペシャリティ病院です。
2011年現在で実に27,000件以上の心臓外科手術で99.6%の成功率を誇り、
骨髄移植の成功率は70%となっています。
次稿はインドのMedical Tourismの締めくくりとして、
ニューデリーのアポロ病院についてご紹介したいと思います。

元衆議院議員 医師 吉田統彦拝
 
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プリティ中野の書評 山本兼一著『信長死すべし』

山本兼一は僕の同志社文学研究会時代の仲間である。
今年の2月13日、僕の誕生日に彼は肺がんで他界した。
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彼は骨太の歴史小説をいくつも遺していった。
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本能寺の変の要因には諸説あるが、光秀が信長を討ったという事実は動かない。

ならば光秀の心の天秤を主君弑逆に傾けさせたベクトルが

単一であれ、複数ベクトルの合力であれ

普遍の人間性をキャンバスにしつつ山本の雄渾の筆致で本能寺が描かれれば、

読者は自ずと、光秀は言うに及ばず、信長や帝

さらには近衛前久を始めとする公卿と交感するのである。

時間と空間を超越する地下茎で繋がれた端末が個々の人間とするなら

マザーコンピュータが奈辺にあるのか。

その所在を垣間見せる力量こそが作家の力量であり

その意味で山本兼一は最もマザーコンピュータに肉薄した端末なのであろう。

― 光秀の魂は、そのまま深い闇の奈落に落ちていった。

最終章『無明』のエンディングである。

無明のカオスの中で人間は蠢き

その蠢きの一つひとつを糸として

壮大な人間の歴史が紡がれていく。

事件から430年が経過した今

山本兼一が創出する本能寺の変と交感し

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歴史小説読者として、至福の悦びとなるだろう。

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山本兼一からいただいた推薦文

中野俊一氏は、わたしの同志社大学時代の先輩である。
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だからこそ、自尊心の高い会員たちから請われて会長に就任したのである。
そんな中野氏がこのたび新しく塾を開くという。
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中野氏が開く塾ならば、さぞや熱気にあふれ、
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在りし日の山本兼一



あなたが生まれたとき、周りの人は笑って、あなたは泣いていたでしょう。

だからあなたが死ぬときは、あなたが笑って、周りの人が泣くような人生をおくりなさい。

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未来の医師養成講座
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講師:吉田統彦(つねひこ)先生




東海高校を経て名古屋大学医学部、同大学院卒業。
米国ジョンズ・ホプキンス大学ウィルマー・アイ・インスティテュートにて勤務。
眼科医。医学博士。愛知医科大学医学部客員教授。昭和大学医学部客員教授。
名古屋大学医学部非常勤講師。名古屋医療センター非常勤医師。前衆議院議員。

講義内容/日米の医療の比較を通じて、現代日本の医療問題を、毎回テーマを変えながら鋭くえぐりだし、医師をめざす受験生の使命感を、インテリジェントにそしてパッショネートに鼓舞します。このコースはまた医学部入試の面接試験での発言能力や小論文の背景知識を涵養することにも力を注ぎます。

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吉田統彦先生の医気軒昂17


Medical Tourism(メディカルツーリズム)を考える
その3 インドのMedical Tourism<甲>

現在のインドは世界でも非常に安価で信頼性の高いヘルスケアを誇ります。
コストは総じて米国の1/10程度(別表参照)であり、
ニューデリー、ムンバイ等の主要都市の病院は近隣諸国に加え、
米国等からのMedical Tourism目的の渡航者を数多く惹きつけています。
インドのMedical Tourismは膨大に増加する外国人患者に対応する能力があることで、
活気のある新成長産業への発展が期待されています。
同時にMedical Tourism関連の法整備も急速に進められ、
1年間滞在の医療ビザが迅速に発給されるようになり、
米国人やカナダ人渡航者へのビザ発行手続も迅速化されました。

インドのMedical Tourism は2011年現在約7億USドルで、
世界のMedical Tourism Marketに占めるインドの比率は約1.2%と推定され、
現状では決して大きくありません。
実際、現時点では医療サービスを求めてインドへ訪れる渡航者の半分以上はバングラデシュ、
パキスタンなど近隣諸国の患者です。

世界のMedical Tourism Marketの患者供給サイドの1/4を米国、英国、中近東が占めていますが、
これらの地域からのインドへの渡航者はまだ12%程度に過ぎません。
しかしながらインドを訪れる外国人患者は2002年以降、毎年24%以上のペースで伸びており、
既に延べ50万人以上が入国したと見られています。

次稿で述べるニューデリーのアポロ病院では
2005年にはアジアからの患者が外国人患者の8割を占めていましたが、
2011年現在では7割が南アジア以外からの患者となったとの報告もあります。

CII (Confederation of Indian Industry) and McKinsey 調査によれば、
インドのMedical Tourismは数年以内に20億USドル以上の産業へ成長し、
更にインドには年間100万人以上の外国人患者を受け入れる潜在能力があり、
それがフルに活用されれば、
年間50億USドルの外貨収入が得られる巨大成長産業となり得るとしています。

先述したようにインドで治療を受ける最大の魅力は安価な医療費にあります。
例えば、インドでの心臓バイパス手術の費用は、
家人等の付き添い1人を含む個室での滞在費を含め、
8500USドル程度で、米国で同様の治療を受けた場合は一般的に10万USドル以上になります。
総じてインドでの医療費は米国の10~20%程度と認識されており、
次稿で詳細を述べるアポロ病院グループでは、
約150種の典型的な疾患別に手術の難易度に応じた手術・入院費用を
包括的に定めた料金表を事前にe-mail等で外国人患者に提示しますが、
平均で5000USドル前後、最高の移植手術でも3万USドル程度となっています。
加えて医療の質の面でも、Medical Tourismに携わる医師の多くは米国での診療経験も積んでおり、
米国本国に比べても遜色ないと言われています。
世界的に見てもインド人医師の技量の水準は高く、
インド国外で活躍するインド人医師の数は 6万人にも上っています。
インド政府人材開発省の発表によると、
2008年現在で英国では外科医の40%がインド人医師で占められており、
米国においても 10%超える外科医がインド出身者だと言われています。

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確かに私がJohns Hopkins大学に勤務していた際の隣人はインド人医師でしたし、
多くのインド人医師が医療の現場で活躍していました。
彼らの英語は巻き舌で私にとっては大変聞き取りにくいものではありましたが。

余談ですが、同発表では、米国航空宇宙局(NASA)の科学者の中の36%がインド人であり、
米国の博士号保持者の38%はインド人で占められ、
米マイクロソフト社の職員のうち34%がインド人であるとの事です。

2009年現在でインドの医師数は65万人(2009年現在、日本は約27万人)で、
人口千人当たり0.55~0.6人とわが国の2.1人と比べると1/4~1/3のレベルに留まっています。
しかしながら、国内に300校ある医科大学の卒業生は毎年約3万5千人(日本は9千人強)に上り、
急速に増えています。
加えて、外国への移住や就労ビザの取得が難しくなってきたため、
英国などからインドへ帰国する医師も増えている現状もあります。
多くの専門家は今Medical Tourismで最も注目されている国はインドであり、
その源泉は豊富な人材力であると分析しています。
次稿ではインドのMedical Tourismの雄であるアポロ病院グループとニューデリーのアポロ病院に関して考察します。


元衆議院議員 医師 吉田統彦拝





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プリティ中野の書評 山本兼一著『信長死すべし』

山本兼一は僕の同志社文学研究会時代の仲間である。
今年の2月13日、僕の誕生日に彼は肺がんで他界した。
最後の原稿を中央公論の編集者に送稿した5時間半後に息を引き取ったのだった。
彼は骨太の歴史小説をいくつも遺していった。
まだ生き残っている僕は彼の作品を語り続けたい。
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歴史上の事実を透視して

隠れているその真実を虚構の中に抉り出すという

歴史文学の生命線が骨太に貫かれている力作である。

本能寺の変の要因には諸説あるが、光秀が信長を討ったという事実は動かない。

ならば光秀の心の天秤を主君弑逆に傾けさせたベクトルが

単一であれ、複数ベクトルの合力であれ

普遍の人間性をキャンバスにしつつ山本の雄渾の筆致で本能寺が描かれれば、

読者は自ずと、光秀は言うに及ばず、信長や帝

さらには近衛前久を始めとする公卿と交感するのである。

時間と空間を超越する地下茎で繋がれた端末が個々の人間とするなら

マザーコンピュータが奈辺にあるのか。

その所在を垣間見せる力量こそが作家の力量であり

その意味で山本兼一は最もマザーコンピュータに肉薄した端末なのであろう。

― 光秀の魂は、そのまま深い闇の奈落に落ちていった。

最終章『無明』のエンディングである。

無明のカオスの中で人間は蠢き

その蠢きの一つひとつを糸として

壮大な人間の歴史が紡がれていく。

事件から430年が経過した今

山本兼一が創出する本能寺の変と交感し

描かれる無明の中に自分自身の座標を求めることができるなら

歴史小説読者として、至福の悦びとなるだろう。

その悦びを共有する一人として

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山本兼一からいただいた推薦文

中野俊一氏は、わたしの同志社大学時代の先輩である。
わたしと中野氏は大学の文学研究会に所属していた。
わたしが二年になったとき中野氏は、その会の会長になった。
文学研究会は、学術団体でありながら、無頼を気取る輩が多かった。
そんななかにあって、中野氏はめずらしく情熱と責任感にあふれた人材であった。
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在りし日の山本兼一



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医学部受験生に贈る!
未来の医師養成講座
愛知医科大学理事長三宅養三先生からご推薦をいただきました。


講師:吉田統彦(つねひこ)先生




東海高校を経て名古屋大学医学部、同大学院卒業。
米国ジョンズ・ホプキンス大学ウィルマー・アイ・インスティテュートにて勤務。
眼科医。医学博士。愛知医科大学医学部客員教授。昭和大学医学部客員教授。
名古屋大学医学部非常勤講師。名古屋医療センター非常勤医師。前衆議院議員。

講義内容/日米の医療の比較を通じて、現代日本の医療問題を、毎回テーマを変えながら鋭くえぐりだし、医師をめざす受験生の使命感を、インテリジェントにそしてパッショネートに鼓舞します。このコースはまた医学部入試の面接試験での発言能力や小論文の背景知識を涵養することにも力を注ぎます。

2015年全9回コース
(4月~12月につき毎月1回/すべて月曜日20:30~21:50)

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  2. メディカルツーリズム
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吉田統彦先生の医気軒昂16

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『未来の医師養成講座』講義中の吉田先生


Medical Tourism(メディカルツーリズム)を考える:その2

近年におけるMedical Tourism(メディカルツーリズム)は
最上級ホテル並みのアメニティーとファーストクラスのサービスに囲まれた環境の中で、
高度な医療を低価格で受診できることを目的としています。

特に医療費が高額なアメリカの患者を中心に、
医療費の安いアジア諸国の医療機関で治療を受けるMedical Tourism が活発化しています。

現在の世界市場規模は、200億ドルを超えており、
数年以内には400億ドルにまで拡大するという試算もあります。
現在の対象は主に医療費の高いアメリカ人や中東の富裕層、
最近は中国の富裕層もMedical Tourismを利用する機会が増えています。
彼らの渡航先として最も古くからそして活発に受け入れているのはインド・タイ・シンガポールの三ヵ国です。
これらの三ヵ国では国際的に患者を受け入れるに必要な条件を備えた病院として、
世界中どこでも通用する基準や指標をもとにした「患者安全」「感染管理」「医療の質」などの諸条件をみたし、
JCI(Joint Commission International、国際病院評価機構)の認証を受ける病院が古くから存在します。

JCIの説明の前に、医療機関での第三者評価の始まりは、
アメリカ ハーバード大学の外科医アーネスト・コッドマン教授(E.Codman 1869−1940)が
「自らの診療行為を第三者の医師に評価してもらいたい」との発想から
1910年、外科手術患者の退院後の追跡を行い、
診療の質を結果によって評価するシステム(End-Results system of hospital standardization)を
考案したことが発端であると考えられます。

その流れを受け継いで1951年にアメリカ外科学会、内科学会、病院協会、医師会、カナダの病院協会の
5つの団体が理事者となり、
非営利組織JCAH(Joint Commission on Accreditation of Hospitals、病院認定合同委員会)を結成し、
認証事業を行い、その後1987年にJCAHO(Joint Commission on Accreditation Healthcare Organization)、
2007年にはTJC(The Joint Commission)と改称し、
20500以上のHealthcare Organizationの認証をし、現在にいたります。

その中で1994年、国際部門として国際非営利団体JCIが設立され、
現在までアメリカ国外の医療機関の評価に着手しています。
JCIの本部はシカゴにあり,ミラノ,ドバイ,シンガポールに支部があります。
日本でも現在でこそ大学病院では埼玉医大、私立病院では亀田総合病院(日本初)、
公的病院では済生会熊本病院を皮切りに取得が進んでいますが、
平成24年度現在では世界50か国で450の病院が取得しているにもかかわらず、
日本ではわずか3病院しか取得していませんでした。

次稿では、インド及びタイのMedical Tourismの現状を考察していきたいと思います。

元衆議院議員 医師 吉田統彦拝

講義7
ノブレス・オブリージュの風が吹き渡る吉田教室




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プリティ中野の書評 山本兼一著『信長死すべし』

山本兼一は僕の同志社文学研究会時代の仲間である。
今年の2月13日、僕の誕生日に彼は肺がんで他界した。
最後の原稿を中央公論の編集者に送稿した5時間半後に息を引き取ったのだった。
彼は骨太の歴史小説をいくつも遺していった。
まだ生き残っている僕は彼の作品を語り続けたい。
セント・メプレス発足時に推薦文を書いてくれた恩義に応えるためにも。


歴史上の事実を透視して

隠れているその真実を虚構の中に抉り出すという

歴史文学の生命線が骨太に貫かれている力作である。

本能寺の変の要因には諸説あるが、光秀が信長を討ったという事実は動かない。

ならば光秀の心の天秤を主君弑逆に傾けさせたベクトルが

単一であれ、複数ベクトルの合力であれ

普遍の人間性をキャンバスにしつつ山本の雄渾の筆致で本能寺が描かれれば、

読者は自ずと、光秀は言うに及ばず、信長や帝

さらには近衛前久を始めとする公卿と交感するのである。

時間と空間を超越する地下茎で繋がれた端末が個々の人間とするなら

マザーコンピュータが奈辺にあるのか。

その所在を垣間見せる力量こそが作家の力量であり

その意味で山本兼一は最もマザーコンピュータに肉薄した端末なのであろう。

― 光秀の魂は、そのまま深い闇の奈落に落ちていった。

最終章『無明』のエンディングである。

無明のカオスの中で人間は蠢き

その蠢きの一つひとつを糸として

壮大な人間の歴史が紡がれていく。

事件から430年が経過した今

山本兼一が創出する本能寺の変と交感し

描かれる無明の中に自分自身の座標を求めることができるなら

歴史小説読者として、至福の悦びとなるだろう。

その悦びを共有する一人として

まだ手にしておられない全ての方に本作を薦めるものである。


120720_1051~01

山本兼一からいただいた推薦文

中野俊一氏は、わたしの同志社大学時代の先輩である。
わたしと中野氏は大学の文学研究会に所属していた。
わたしが二年になったとき中野氏は、その会の会長になった。
文学研究会は、学術団体でありながら、無頼を気取る輩が多かった。
そんななかにあって、中野氏はめずらしく情熱と責任感にあふれた人材であった。
だからこそ、自尊心の高い会員たちから請われて会長に就任したのである。
そんな中野氏がこのたび新しく塾を開くという。
その名はセント・メプレス。
中野氏が開く塾ならば、さぞや熱気にあふれ、
塾生は激しく切磋琢磨されることであろう。そう信じてやまない。

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在りし日の山本兼一



あなたが生まれたとき、周りの人は笑って、あなたは泣いていたでしょう。

だからあなたが死ぬときは、あなたが笑って、周りの人が泣くような人生をおくりなさい。

                               ~アメリカ・インディアンの言葉



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医学部受験生に贈る!
未来の医師養成講座
愛知医科大学理事長三宅養三先生からご推薦をいただきました。


講師:吉田統彦(つねひこ)先生




東海高校を経て名古屋大学医学部、同大学院卒業。
米国ジョンズ・ホプキンス大学ウィルマー・アイ・インスティテュートにて勤務。
眼科医。医学博士。愛知医科大学医学部客員教授。昭和大学医学部客員教授。
名古屋大学医学部非常勤講師。名古屋医療センター非常勤医師。前衆議院議員。

講義内容/日米の医療の比較を通じて、現代日本の医療問題を、毎回テーマを変えながら鋭くえぐりだし、医師をめざす受験生の使命感を、インテリジェントにそしてパッショネートに鼓舞します。このコースはまた医学部入試の面接試験での発言能力や小論文の背景知識を涵養することにも力を注ぎます。

2015年全9回コース
(4月~12月につき毎月1回/すべて月曜日20:30~21:50)

クリック⇒吉田統彦先生の未来の医師養成講座
  1. 2015/07/10(金) 00:00:01|
  2. メディカルツーリズム
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吉田統彦先生の医気軒昂 第15回


『吉田つねひこの医気軒昂~医学部を志す若者へ』

Medical Tourism(メディカルツーリズム)を考える:その1

2015-06-11-15-30-11_deco.jpg

Medical Tourism(メディカルツーリズム)は医療観光、
医療ツーリズムとも表現される事がありますが、
一般的に居住国とは異なる国や場合によって地域を訪問し、
診断や治療などの医療サービスを受けることと考えられています。
またツーリズムとなってはいますが、
実際のツーリズムいわゆる観光は付随する事もしない事もあります。
そもそも古代から医療を目的とする旅行の歴史は存在します。
古代ギリシアのサロニカ湾アスクレーピオスの聖域への巡礼と療養は良く知られており、
また、日本の湯治や欧米でのスパやサナトリウムなどへの転地療養もその一部だと考えられます。

しかし現代のMedical Tourismは先進国の患者や発展途上国の富裕層が
 1:自国よりはるかに安い手術代などの治療費
 2:高度先端医療技術
 3:法律上の問題などで自国では不可能な臓器移植や特殊な手術 
 4:観光と組み合わせた高度な医療機器による健康診断 
等を目的として、他国に渡航して目的とする医療サービスを受ける事が主体となっています。
現在の渡航先としてしばしば選択されるのは主にアメリカなどで訓練を受けた医師が増加し、
欧米と遜色ない医療技術が非常に安価に受けられるインドやシンガポール、タイ、マレーシア、メキシコなどです。

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以前 LASIKや美容整形が日本より安価だという事で
一時期多くの日本人が渡航し医療サービスを受けた韓国も国家戦略の一つとして力を入れています。
しかしこういった現代のMedical Tourismは最近発生したものではなく、
例えば第二次世界大戦後、
中近東の特に産油諸国の王族はその多くは欧米での医療を選択してきましたし、
近現代の国家元首もしばしは最良の治療を受けるために海外での治療を選択し、
結果として国家元首の海外療養中にクーデターが発生する事も頻繁にみられます。
最近打倒されたカダフィ政権も1969年、
時のリビア国王イドリース1世のトルコでの病気療養中にカダフィら将校たちによるクーデターが起こり、
王制は打倒されました。
同様に近年タリバン勢力が跋扈するアフガニスタンも1973年、
国王ザーヒル・シャーがローマで病気療養中に軍部のクーデターが起こり、王制廃止となりました。

次稿以降では、活発化するMedical Tourismの現状とその展望、
その成立条件、各国の状況と日本のおかれた状況と可能性を考察していきたいと思います。


元衆議院議員 医師 吉田統彦拝

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セント・メプレス主催『吉田統彦の未来の医師養成講座』より




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彼は骨太の歴史小説をいくつも遺していった。
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ならば光秀の心の天秤を主君弑逆に傾けさせたベクトルが

単一であれ、複数ベクトルの合力であれ

普遍の人間性をキャンバスにしつつ山本の雄渾の筆致で本能寺が描かれれば、

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― 光秀の魂は、そのまま深い闇の奈落に落ちていった。

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山本兼一からいただいた推薦文

中野俊一氏は、わたしの同志社大学時代の先輩である。
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あなたが生まれたとき、周りの人は笑って、あなたは泣いていたでしょう。

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名古屋千種駅前の医学部&名門難関大専門塾セント・メプレス学長。元大学受験ラジオ講座講師。

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